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間取り迷子から抜け出す。配置から考える、aisuの家づくり

暮らし方
間取り迷子から抜け出す。配置から考える、aisuの家づくり

家づくりを考え始めると、多くの方がまず「間取り」から考えます。LDKは何帖必要か、部屋はいくつあればいいのか、家事動線や収納の位置はどうか。情報があふれる今、気づけば「間取り」で悩み続けてしまう。そんな状態を、私たちは“間取り迷子”と呼んでいます。

aisuの家では、この迷いから抜け出すために、家づくりの順番そのものを見直します。間取りを考える前に、まず向き合うのは「配置」。家を敷地のどこに置くのか、外とどうつながり、どんな風景の中で暮らすのか。aisuの家づくりは、いつもこの配置から始まります。

配置とは、単に建物の位置を決めることではありません。通りからどう見えるのか、隣家や道路との距離感はどうか、車や生活の気配が風景の中でどう扱われるか。配置を考えることは、家をデザインする前に、その場所にどんな景色をつくるかを考えることでもあります。

家は個人のものですが、同時に町の風景の一部でもあります。だからこそ、aisuの家は、住む人の暮らしやすさと、まわりとの関係性、そのどちらも大切にしたいと考えています。

配置が決まると、次に考えるのは外との関係です。敷地の中で心地よい場所はどこか、光はどこから入り、風はどう抜けるのか。どこを開き、どこを閉じるのか。庭とどうつながるのか。こうした外部環境との関係が見えてきて、ようやく家の内部が立ち上がってきます。

この順番で考えると、LDKや水まわりの位置は、あとから自然と定まっていきます。そこに生まれるのは、用途に縛られすぎない、ひとつながりの空間。個室としても、ワンルームのようにも使え、壁で区切れば部屋になり、開けば大きな場になる。暮らしの変化に合わせて、使い方を変えていけるフレキシブルな空間です。

家族構成が変わっても、暮らし方が変わっても、その変化を無理なく受け止めてくれること。aisuの家は、それが長く住み継がれる住まいの条件だと考えています。

そして、空間の質を決めるのは、その中をどう設えるか。家具の置き方、光の入り方、視線の抜け、少しこもれる居場所。こうした設えが整うことで、空間はさらにおおらかになり、住む人に寄り添う場所になっていきます。

aisuの家は、外とのつながりを大切にしながら、用途に縛られない空間を基礎にしてきた住まいです。住む人が変わっても、家族の暮らしが変わっても、その変化を受け止められる家。どんな要望にも応えられるというより、どんな変化にも耐えられる土台を持った家だと考えています。

間取りは、家づくりの答えではありません。配置から家を考え、空間として捉え、暮らしの変化に寄り添える余白を残すこと。その先に、自分たちらしい住まいが、ゆっくりと立ち上がってくるのだと思います。