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木のぬくもりと暮らしやすさを両立する、aisuの家の見えない工夫

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木のぬくもりと暮らしやすさを両立する、aisuの家の見えない工夫

「aisuの家」には、暮らしの中では見えにくい、さまざまな工夫が隠れています。今回はそのひとつ、電気配線の工事についてご紹介します。

aisuの家の特徴のひとつは、梁や柱などの構造材をそのまま見せる「構造表し」の空間です。木の力強さやぬくもりを、暮らしの中で直接感じられる設計ですが、一方で電気配線の取り回しには工夫が必要になります。構造を見せることで天井裏のスペースが限られ、配線の通り道も制約されてしまうのです。

そこでaisuの家では、水まわりの上に必要最小限の天井を設け、電線が通るスペースを確保しています。

手前は構造を見せる部分、奥は天井を張る部分となっており、一軒の家の中には多くの電気の線が巡っています。

天井だけでなく、壁内の配線にも工夫があります。一般的には配線を断熱材の中に通すことが多く、断熱材の充填が不十分になったり、防湿シートの施工が複雑になったりすることがあります。aisuの家では、まず断熱材を隅々までしっかり施工できるように内壁側に胴縁(どうぶち)を設け、その後で配線できる仕組みにしています。

このひと手間によって、断熱材の性能を損なわずに、防湿シートの破れや施工ミスも減らすことができ、安全でスムーズな配線が可能になります。断熱性と電気配線のしやすさ、どちらも妥協せず実現できるのです。

構造を見せる空間でありながら、断熱性や気密性、電気配線の施工性まで両立させるには、設計と施工の緻密な連携が欠かせません。aisuの家では、素材やデザインだけでなく、施工方法の細部まで設計段階から検討しています。

こうした工夫により、構造の魅力を活かした空間と、住宅としての性能の両方を大切にした家づくりが実現しているのです。